奥さん

一軒家に一人暮らしの彼

業者さんが平日に来ることもあって

彼は仕事だから私が行って応対する



奥さん、すみませんね

ご主人によろしくお伝え下さい


私は彼の家では彼の奥さん



彼と宅配便の営業所に行った時のこと

私に発送するものがあったから

彼は受け取りを営業所止めにしていた


先に彼は自分の荷物を受け取る

この時彼は身分証明書を忘れて行っていたので

受付さんといろいろやり取りあり

苗字をインプットされる

私からも

なんで持ってきてないのよ

とぐちぐち言われて完全夫婦の会話


そのあと私は彼と仲良く発送作業

オンラインで手続きをして受付に荷物を持って行く


◯◯さんでよろしいですか?

私の苗字を言われた

今まで発送する時に言われたことはない


きっと夫婦だと思ってたんだろうな

それが苗字違うし住所違う

オンラインでの受付間違えたのかと思ったのかな




お洋服

同じブランドが好きだからお互い買う時がある

以前は別々で会計してた

そうすると苗字違うことがバレる

ショップの店員さんと微妙な空気流れる


それが嫌で

最近は彼のクレジットカードで支払って貰って後で返すようにしている




アラフィフで苗字違うことがわかると

あちらさんがどう対応していいのか困るらしい


いろんな形のパートナーいるんだから

奥さんでいいのに

心地よい距離感

今日ちょっとした手術をした

これについては病院にかかるときから

彼に相談していて

初診のときは俺が連れて行くと言ってくれ

休みの日はいつもなら昼まで寝ている彼が

早起きして病院まで連れて行ってくれた


この時も彼がいてくれたので安心して診察を受けられたな

ひとりで行くよりずっと心強い

彼の気持ちが嬉しかった






彼は通常仕事帰りに電話してきてくれて

家に着くまでお互いの話したいことを話す

毎日の連絡は用事がない限りそれだけ



今日の手術が決まって

今週になってから帰りの電話はもちろん

寝る1時間前くらいにまた電話がかかってきて

また何気ない話をする

彼から手術のことには触れない



私が手術のことに触れると熱心に聞いてくれて

不安な気持ちをほぐすようなことを言ってくれる


この彼の距離感が気持ち良くて安心する

そばにいるからいつでも寄りかかっていいよ

って言ってくれているような感じ



彼が支えてくれているから私は頑張れる

彼流

彼は名前を呼んでくれない


呼び掛けるときは

おーい

なぁなぁ

のどらちか


話をする時は主語がないから

私が察してそれって私のこと?って聞かなきゃならない


面倒くさいやつだ



そんな彼だから

好きだよとか

愛してるよなんて絶対言ってくれない




でも私は彼からの愛をひしひしと感じる

それを言葉で表すのはとても難しいが

私は彼からの愛を感じ取っている



彼の日頃の私に対する何気ない行動や言葉で

私の言葉に耳を傾けてくれて

私のことをよく見てくれているなと感じる

私は彼の前では何の偽りもない素の自分

それを受け止めてくれるのが彼

いろんな私を知ってくれている








私の夫はどこでも私のことを◯◯ちゃんと呼び

好きだよと言うが

私への愛を感じることが全くなかった

上辺の言葉だけで

私のことを全く見ていないし

知ろうともしていない

それがよく分かる

本当の私を夫は知らない